明るさの自動調節を復活させる方法
少し前に大阪の方からこんな相談をいただきました。
「iPhoneSEを使用しています。明るさの自動調節の項目が無くて使えないのですが、直すことはできますか? 修理歴は以前、近所の非正規店に画面交換の修理に出したことがあります。
明るさの自動調節は、設定→一般→アクセシビリティ→ディスプレイ調整の中にあります。
(iOS13だと、設定→アクセシビリティ→画面とテキストサイズ内)
![](https://iphone-terminal.com/wp-content/uploads/2020/09/IMG_9931-1024x768.jpg)
当時は私たち自身、この明るさの自動調整の項目が“無い”という端末を見たことがなく、このご要望にお応えすることができませんでした。
修理時「明るさの自動調節が動かない」「機能が壊れている」端末は時々見たことがあったのですが、項目自体が無いというのは見たことがありませんでした。
というか、そもそも、正直、この項目があるかどうかまでは、あまり気にしていませんでした。
明るさの自動調節の機能が正常かどうかのチェックは、コントロールセンターでしていたからです。
![](https://iphone-terminal.com/wp-content/uploads/2020/09/190802110202-5d43999a0a147-scaled-1-1.jpg)
動作チェック時には、
端末に光を当てる→
バーが自動で動かない→
設定から”自動調節の項目”がオンになっているかどうかを確認
という手順を踏みますが、自動で動かないなんてことは滅多に無いので、設定まで見ることはほとんどありませんでした。
ですので、この時には「明るさの自動調節の項目が無い端末を見たことがなくて分からないので、Appleにご相談ください。」というお応えをさせていただきました。
この質問をいただいてからというもの、点検のチェック項目に「明るさの自動調節の項目」という欄を増やして、全機種チェックするようにしたところ、時々、この大阪の方のように、明るさの自動調整の項目が消えている端末があることに気付きました。
あるものとないものを比べます。
(左が無い、右がある)
![](https://iphone-terminal.com/wp-content/uploads/2020/09/190802110716-5d439ad4e3815-2-scaled-1.jpg)
私たちも最初はどうしてあるものとないものがあるのか分からなかったので、簡単に「基盤故障」という結論を出していました。
しかし、師匠が修理をしたり復元をしたり、いろいろと試行錯誤を繰り返していく中で、この項目が消える理由と復活させる方法を発見しました。
まず、その理由。
この「明るさの自動調節」の機能というのは、センサーケーブルというパーツの赤丸の部分が司っています。
![](https://iphone-terminal.com/wp-content/uploads/2020/09/190409191129-5cac6fd1e6bd3-scaled-1.jpg)
赤丸を付けた部分が故障すると、明るさの自動調節が動かなくなります。
そして、明るさの自動調節が壊れたセンサーケーブルを付けぱなっしにして使用していると、いつの間にかオン・オフを切り替える項目が無くなるということが分かったんです。
”いつ消えるのか”というのは、正確な日数は分かりません。
師匠がなぜこのことに気付いたのかというとですね。
当社はコピーパネルの説明のために、常にコピーパネルの取り付けてある見本を店頭に置いています。
センサーケーブルというのは、画面交換時に、元のパネルから新しいパネルに付け替えるものなのですが、見本端末は、コピーパネルの質をお見せするために置いているだけなので、センサーケーブルは移植していません。
そのため、パネルしか取り付けていないので、センサーケーブルは無い状態で置いています。
ふと、この見本端末の明るさの自動調節を確認したところ、上の写真の状態のように項目が無くなっていることに気付いたことが、理由を発見した原因とのことです。
ですので、ご相談してくださった大阪の方のiPhoneSEにおいて「明るさの自動調節」の項目が無くなっていたのは、
”環境光センサーの壊れているセンサーケーブルがしばらく付けてあったことが原因”
ではないかという結論に達しました。
鍵は「非正規店で画面交換したことがある」という一文です。
この大阪の方のケースの場合、非正規店に修理に出した時、修理店側が元のセンサーケーブルを壊してしまったのではないかと思います。
その際、代わりのセンサーケーブルを取り付けますが、新しいケーブルには環境光センサーが搭載されていなかったために、そのあとしばらくしてから項目が消失してしまったのではないかと思います。
互換のセンサーケーブルの中には、環境光センサーが搭載されていないものもあるからです。
(写真:コピーケーブル)
![](https://iphone-terminal.com/wp-content/uploads/2020/09/191222150936-5dff08a06cb74-scaled-2.jpg)
正直、環境光センサーの機能までしっかりとチェックして出している修理店って数少ないと思うんですよね。
だから、修理後に明るさの自動調節が使えなくなってしまっても、修理店側も気付いていないケースが大半だと思います。
もちろん、修理後にこの機能が自然と壊れてしまった可能性、もしくは修理以前から壊れていた可能性も大いにありますので、一概に修理店側が悪いということは断言できませんが、可能性としては、この仮説が1番高い気がします。
さて、原因は分かりました。
では、どうやってこの項目を復活させればいいのでしょうか?
方法は1つだけあります。
“環境光センサーが正常に動くセンサーケーブルを取り付けて復元すること”です。
これで項目は元に戻ります。
師匠が複数の端末で復元してみたところ、すべて戻せたので、おそらくどの端末でも戻せる(直せる)と思います。
ですので、現在、明るさの自動調節の項目が消失してしまいお困りの方は、非正規店で環境光センサーが正常に動くセンサーケーブルを取り付けてもらってください。
そして、復元すれば元に戻ります。
ただ、上記に記載したように、非正規店によってはコピーケーブルを使用しているために、環境光センサーが搭載されていないものがあります。
そういうところでセンサーケーブルを交換しても無意味ですので、その点はちゃんと店に聞いてから修理に出してください。
現在、お困りの方の参考になりましたら幸いです^^