コピーパネルに価値はあるのか?

記事内のフロントパネルの名称表記について

【2021年3月15日更新】

記事内に登場します液晶純正パネルは、現在、液晶再生パネルに表記を変更しております。
あらかじめご理解の上、読み進めて頂けますと幸いでございます。
なお、名称を変更しただけで、パネル自体に変化はありません。

私はオープン当初から「コピーパネルは必要なのだろうか」と常に自問自答してきました。

世の中ではコピーパネルが圧倒的な主流なので、再生画面の修理だけでは価格のみを比べられてしまい来客に繋がらないことを懸念し、コピー・再生両方を両立させお客様に選んでいただくという方法を今まで取ってきました。 

正直、私の中ではコピーパネルは必要悪だとずっと思ってこの1年間使ってきました。

本来であれば再生パネルの修理だけしかしたくないんです。

では、なぜ嫌いなコピーパネルを使っているのかというと、ある意味で逃げでもありました。

上に書いた通り、他と比べるものがないと“あの店はただ高い”というイメージがついてしまい、倦厭されてしまうのを恐れていたからです。

再生パネルは原価だけでもコピーの倍以上するので、本来であれば高くないのですが、それを知らないお客様にはただ高いと思われてしまいますよね。

そこでその違いを“伝える”ために、コピーを置いておきました。

でも、コピーはずっと使いたくありませんでした。

できればお客様には出したくなかったんです。

ですので、ご修理前に私の再生とコピーの違いの説明を聞いて「再生を押し売られているな」と感じているお客様も少なからずいらっしゃったのではないかと思います。

実際にそのようなクレームもありました。

大切なお客様には再生画面を選んで欲しい気持ちが強く、それが押し売られているという印象になってしまったのかもしれません。


話は少し変わりますが、今、うちの店は、実はオープン以来の大改革時を迎えています。

いつも画面を購入していた卸業者を変え、新たな取引先を開拓しているところなんです。

フロント画面の質というのは店の評判に直結するので、修理店にとっては「どこから画面を仕入れるか?」というのは死活問題です。

私はずっと取引させて頂いていた卸業者さんの出すフロント画面の質に絶対的な信頼を寄せていたので、ずっと信用してその一社のみと取引をさせて頂いていました。

今でも変わらずそこのパネルは大好きですし、出来れば取引を続けさせて頂きたかったのですが、新しく担当になった若い奴があまりにも無礼で、最終的に堪忍袋の緒が切れてしまいました。

本当は、もともと会社としての対応がおかしかったり、少しずつ画面の質が落ちてきていたりして、他にも色々と不満となる理由があったのですが、最終的にその若い奴が卸業者として“絶対に言ってはいけないだろう”という言葉を私に向けて発してしまい、THE ENDとなりました。

という事で、現在新しい卸業者さんを開拓しているところなのですが、開拓にあたり今後の方針を師匠と話し合っていた時のことです。

私は師匠に対して「これを機にコピーパネルの取り扱いをやめないか?」という事を提案してみたんです。

もうコピーを使うのは疲れたよ、と。

コピーなんて安かろう悪かろうの典型だし、もううちの店のことを分かってくれる人にだけ売ればいいじゃん、と。 

そうしたら師匠は「じゃあ松島さんはコピーは無価値だと思っているんですか?」と尋ねてきました。

私は「無価値だと思っている」と答えました。

コピーなんて本当はやりたくないし、正直ボランティアでやっているようなもんだよ、と。

そう言ったところ、師匠は「それは違うと思いますよ」と反論してきました。

師匠曰く、「しっかりと納得していればコピーで満足という人もいるんだから、コピーにはコピーでコピーとしての価値がある。大半の店はコピーを使っているのが問題なんじゃなくて、“純正です”みたいな顔をして黙ってコピーを出しているから問題なんだと思います。しっかりと説明すれば、コピーでも満足してくれる人がいるんだから、それ相応の価値がコピーにもあります。

大切なことは“納得・理解してもらうこと”。だから、今の方法がベストだし、価格もベストだと思います。

もし、コピーに価値がなくてボランティアでやっていると思っているのであれば、コピーの修理は原価代だけもらってやったらいいんじゃないですか?」と。


私はこの師匠の意見を聞いて目から鱗でした。

そういう考え方もあるのか、と。

私は自分の個人店なので、自分の意見を押し通してもいいというか、それがうちの店の色なのでそれでいいと思っていたんです。

でも、私自身が今の方法に疲れてしまったことやクレームになってしまったこともあり、自分の説明方法にも疑問を持っていました。

ですので、師匠の話を聞いて納得した部分があります。

もう再生を勧めなくていいや、と。

今までも別に、私としては押し売っていたわけではなく、自分に合う方を選んで頂ければいいという想いでご説明していたのですが、今後はさらに淡々とご説明しようかと思います。

日々、試行錯誤ですね。

とりあえず、良い卸業者さんを見つけられますように。

今はそれだけを願っています。


ー後日談ー

2020年3月15日更新

昔の記事を読んでいて思いますが、私ってクソ真面目じゃないですか(笑)?

えー、今は全くこんなことは思っておりません。

もう理解してもらう努力をやめてしまいました。

理解してくれる方は苦労しなくても十分理解してくれるし、理解できない人はどんなに頑張っても絶対に理解してくれないからです。

「理解できないなら他に行けばいいのでは?」と諦めてしまいましたので、もうこのような熱い想いは持っていないですね。

ただ単純に、どんなサービスも必要な方に届けば、私としてはそれで満足です。

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