【XR】再生パネルのタッチの感度が悪い:修理もセカンドオピニオンが大事

記事内のフロントパネルの名称表記について

【2021年3月15日更新】

記事内に登場します液晶純正パネルは、現在、液晶再生パネルに表記を変更しております。
あらかじめご理解の上、読み進めて頂けますと幸いでございます。
なお、名称を変更しただけで、パネル自体に変化はありません。

皆様、こんにちは!

11月になりましたね!

急にめっきり寒くなった感じがします。

最近の私は、来年1月の法人化に向けて、実務処理や準備に追われています。

最近やっと本格的に勉強も始めたのですが、もっと早くやっておけばよかったな〜と後悔しています。

でも人間って、なんだかんだ言っても、追い詰められないと真剣に取り組めないですよね。


そんな法人化に向けて忙しい私ですが、このところ、フロントパネルに関して、困った事態が起きていました。

機種はiPhoneXR。

当社は、ご存知の通り、画面交換修理においては、コピーパネルと液晶純正パネル(再生パネル含む)をご用意し、お客様にお選びいただいているのですが、

懇意にしている取引業者(以下、A社)から、いつものように”再生パネル”を購入したところ、非常にタッチの感度の悪いパネルが届きました。

スクロールするたびに引っかかり、ものすごくイライラするレベル。

「明らかにコピーだろう」という感度の悪さです。

千葉とも話して「これ、絶対コピーだから返品しましょう」ということになり、「誤ってコピーが届いたから、再生に替えてくれ」とお願いし、交換してもらったところ、全く同じ品質のものが返ってきました。笑

”不良と判定したから返品したのに、返品したものと全く同じ品質のものが来る”

これ、私たちの間では超あるあるです。

一般の仕事の方にとってはありえない事象だと思いますが、私たちにとっては日常茶飯事のことなので、もはや「あっまただよ」としか思いません。

で、じゃあこういう時、どうするのかというと、私たちは諦めてしまいます。

例えば、もう一度同じことを言って返品したところで、どうせまた同じものが来ますし、これを仕入業者に問い詰めたところで、意味不明な言い訳をされて、結局、返金してもらえることも、まずないからです。

ヤバイところだと、「うちはメーカーではありませんので、そんなこと言われても困ります!出来ません!」と逆ギレされます。笑

こういう時、私は「じゃあ買わないから、最初からそう書いとけよ」という極当たり前の感想を持ちますが、そういう正論は通じない世界ですので、もうそんな言葉も飲み込みます。


ただ、パネルはもう来てしまっていますし、これを捨てるのも勿体無いですよね。

しかし、当社の定める品質基準に満たないものを「液晶純正パネル」として出すわけにはいかないので、当社では、こういうものは「コピーパネル」として出してしまいます。

これだと原価は再生パネルと同じだけかかっているのに、コピーパネルの料金しかもらえないので、赤字にはなってしまうのですが、仕方がないです。

当社の液晶純正パネルをお選びになるお客様は、私たちの品質を信じて来てくださるので、その期待を裏切るわけにはいかないからです。



今回のように”再生パネルを買ったのに、タッチの感度がコピー並みに悪い”というのは、ほとんど見たことはありませんが、「色味がおかしい」「明るさが足りない」なんていう再生パネルは、沢山あります。

あまりにもひどいものは、私たちも業者に言って交換してもらいます。

ただ、当社は「液晶純正パネル」として出すパネルの品質基準を極めて高く設定しているため、交換対象にならないような微妙なレベルのものも結構あります。

そういうものは、私たちは今回のように「コピーパネル」として出してしまいます。

ここで揉めてグダグダやっているくらいなら、早く在庫を回してしまいたいからです。

ですので、当社の場合は、ただ「コピーパネル」をコピーパネルとして出し、「再生パネル」を液晶純正パネルとして出しているわけではありません。

そういうことをしていると、こういうクレームに繋がってしまう恐れがありますし、

また、お客様を失望させてしまうことになるからです。


ということで、少しの間、この再生パネルを「インセルパネル」として出していました。



今回の場合、A社は「再生パネル」として売っておりましたが、私たちとしては、タッチの感度が明らかにコピーだったので、この主張に非常に違和感があり、コピーパネルだと確信していました。

ただ、輝度(明るさ)や色合いは完璧だったので「これを”コピーパネル”として出すのも、どうも違和感がある」ということで、”インセルパネル”として出すことに。

しかし、当社は、液晶純正パネルが売りですので、この問題をどうにかしなくては・・・と思ってはおりましたが、ただ、解決策もなく、なんとなくそのままにしておりました。


修理の際には、修理前にお客様に実際のパネルを触っていただいて、ご納得頂けたら修理するという形を取っていました。

しかし、iPhoneXRの再生パネルとなると、原価は安くはありませんので、この状況にだんだんムカついてきまして(笑)、やっぱり全部返そう!そして、もう一度交換してもらおう!と決意。

もう一度、A社に「再生パネルを頼んでいるのに、コピーが来たから返したい。」と言ったところ、「在庫が無い」と言われてしまいました。

えー、これはあくまでも私の憶測なんですが、おそらく他の修理店から、同じようなクレームが沢山来て、販売を取りやめたんだと思います。

最初に返品した時は、特に質問もしなかったので、今回は「再生パネルを頼んでいるのに、タッチの感度が明らかにコピーです。しかも、前回返品したのにまた同じものが来たんですけど、何故ですか?」と聞いてみました。

そうしたところ、A社は「弊社の現在取り扱いの再生パネル・XRと11につきましては、タッチケーブル交換品のみとなっております。」という主張でした。

要は、”画面のコネクタは交換しているよ(ケーブルはコピーだよ)”ということです。

これで、やっと納得がいきました。

私たちが、そもそも何故コピーパネルだと確信していたかというと、画面のコネクタが明らかにコピーだったからです。


コピーパネルのコネクタは、純正のものとは全く異なるので、見れば一発で分かります。

この説明を聞いて「やっぱコピーじゃん。」と腑に落ちました。

そうすると、次の疑問が浮かんできますよね。

じゃあ何で再生パネルとして売ってるの?と。

どう考えても、コピーだよね?と。

この答えは、他の業者の方が答えてくれました。


当社は、修理パーツの仕入れ業者を3社用意しています。

今回は、A社がこういうことを言ってきたので、B社に「他社にこういうことを言われたんですけど、B社はどうですか?」と聞いてみました。

B社の担当者の方の答えとしては、

”おそらくですが、他社様で扱われているものはリペア品の中でもコネクター加工品と呼ばれるものです。

液晶は生きていても、ケーブル断線などの商品をコネクターを交換することで使えるようにするものです。

今回のパネルは、ケーブル断線によって、コピーの新品コネクタと交換したものと思われます。

当社はこういうものは互換パネルとして販売し、再生パネルとは異なります。”

というものでした。


やっっっっっっと、完全に納得のいく答えを出してくれる方を見つけた!と思って、泣きそうになりました。

まぁ正直ですね、私たちの解釈としては「ケーブルがコピーなんだから、コピーとして売れよ」とA社に対しては思いますが、A社としては「パネル自体は純正で、ケーブルを交換しているのだから”再生パネル”です!」という解釈なんでしょう。

色々考えると腹が立つので、今回は”解釈の違い”と思って、納得することにしました。

しかも、A社は、最終的にはきちんと返金もしてくれたので、こちらはこちらで、無事解決致しました。

その後、B社から再生パネルを購入しまして、検品したところ、品質に問題が無いことが確認できましたので、本日からiPhoneXRの液晶純正パネルの取り扱いを再開致しました。

とりあえず、まともなパネルをご用意することが出来て、ひと安心です。

いま、私は、法人化に向けて、会社のつくり方だけでなく、会計や税務、また、金融機関との付き合い方など、本を10冊ほど買い込んで、読んでいます。

著書の経歴は様々ですし、内容も様々ですが、ひとつだけ共通していることがあります。

それは「ひとりの専門家だけでなく、複数のプロと付き合おう」ということです。

会社を作るとなると、行政書士に頼むかもしれない。

決算は、税理士に頼むかもしれない。

金融機関にお金を借りるとなれば、その担当者と付き合うことになります。

ただ、どんな状況のときも、必ず「セカンドオピニオンを聞け」と、全員の方がおっしゃっておりました。

どんなプロも、所詮、商売でやっています。

自分の都合の悪いことをわざわざ積極的に言ってくる人は、稀です。

また、ひとりの人と付き合うと、その人の都合でしか、情報を得ることが出来ません。

今回のパネルの件で言えば、私の印象としては、A社の担当者が誤魔化そうとしたり、嘘を言っているようには聞こえませんでした。

ただ、A社の担当者はあくまで接客の担当者ですので、私の質問に対して、上からそのまま言われたことを、私に伝えただけかもしれません。

では、果たして、その上の人は、嘘をついているのでしょうか?

今回のことは、現実問題「解釈の違い」だったのかもしれません。

A社にだけしか聞かないと、A社の責任者の都合でしか、物事を知ることが出来ません。

今回はB社にも聞いたから、問題解決につながりました。

どんな世界でも、こういうことは起こりうるものです。



修理についても、そうです。

私は常日頃から「他の修理店に行ったら、こう言われたんですけど」とか「こんなことをされてしまったんですけど」という相談を全国から受けておりますが、これも正に、”セカンドオピニオン”ですよね。

もちろん、私は自分の考え方がすべてだとは思っていないので、こういう時は、私だけではなく他の修理店や、メーカーにも聞いてみることを勧めております。

私は今までの経験上、修理パーツに関しては、業者に相談したところで解決することなどほぼ無かったので、「自分で解決するしかない」と、ある種の諦めを持っていたんですが、もう少しセカンドオピニオンを大切にするべきだと、今回のことで学びました。

求め続ければ、答えを持った人がこうして現れてくれるのかもしれません。

あとは、自分の感性を大切にするということですよね。

私は、修理パーツについて、いつも千葉と話すことがあります。

「あれっと思ったら、そのパーツはお客さんにはもう出さない。だって、問題ないときは、あれって思うことはないから。」

お客様の中にも「他の修理店で画面交換したら、画面に違和感を持つようになった。でも、これは自分が神経質になりすぎているのかもしれない。自分がおかしいのではないか?」と悩んでいる方がいらっしゃいますが、やっぱり「あれっ」て思うときは、どこか変なんですよ。

だって、オリジナルパネルに「あれっ」なんて思いませんからね。

だから私はお客様には「自分の感性を信じてください」と伝えています。

自分の感性を信じて、素直な心で広く答えを求めてみる


どんな逆境でも、諦めてはいけないですね。

しかし、本当、私っていつも同じことで悩んでいて、成長がないなぁと思います(笑)。

まぁこれが私のメインの仕事ですので、コツコツやっていくしかないんですけどね。