フランチャイズをやらない理由

10月に入ってからiPhone修理技術研修のお問い合わせが増えておりまして、これをご覧の方で受講をお考えの方もいらっしゃるのではないかと思います。

うちの研修を受講した方からは「数ヶ月間色々な会社や店のホームページを見て検討していた」という話を多く伺います。

私は当時、千葉が働いていた会社の技術研修を受講して開業したのですが、私は1日で千葉のところでの受講を決めたので、受講生さんのお話を聞いて私は異質なんだと気付きました。

それでもやっぱり問い合わせまでいくにはいささか勇気が入りました。

そもそもまず「フランチャイズに入るかどうか?」から悩みがスタートしますよね。

ですので、色々な会社のホームページを見比べて沢山考えて最終的に決めていくのだと思います。

日本のiPhone修理店は9割以上がフランチャイズ店だと言われています。

どこの街にもあるiPhone修理店も、ほとんどみんなどこかに加盟している状態らしいです。

フランチャイズに関しては私の見解を、以前このブログに記載したことがありましたので、そちらをご紹介させて頂きますね。

技術講習受講の参考にして頂ければ幸いです。

フランチャイズのいいところ・悪いところ


うちも開業してそろそろ1年半が経ち、来年の1月には東京へ2号店を出す予定ですが、それでも未だに「フランチャイズはやらない」という思いに変わりはありません。

理由については上記のリンクのブログ内に記載しているのですが、その気持ちに今でも全く変わりはありません。
うちの父はうちの店奥でタクシー会社を経営しています。

父は山っ気のあるタイプなので、以前から「フランチャイズ展開したら?」と、一緒にお酒を飲む度に私に言ってきていました。

私はフランチャイズ展開をしない理由を理路整然と説明し一貫して主張しているので、最近は呆れてもう何も言わなくなりました。

じゃあ千葉くんと直営で増やしなさい、と諦めました。笑


私はフランチャイズ契約が悪いとは思っていません。

それは好き好きでしょう。

フランチャイズ契約をうまく使って儲けている人も沢山いると思います。

私が思うにフランチャイズ契約に向いている人は、

・ある程度のまとまったお金がある

・すでに場所も確保している

・その場所は割と人通りの多いところ

こういうまとまった初期費用の出せる人だと思います。

これから自分で場所は探さなければいけないし、しかも人通りの多いところにはお金が無いから出せない・・・というあまり金銭的に余裕のない人はフランチャイズには向いていないと思います。

なぜなら、フランチャイズに加盟してしまうと(もちろんフランチャイズの本部によりますが)開業しようがしまいが、入会金や加盟料は支払い続けなければいけないからです。

その上、本部と「本部が決めたところからしか修理のパーツは購入してはいけない」という契約を結んでいたら、雀の涙ほどの利益しか出せず、結局営業してもほとんど儲からず開業数ヶ月で資金が尽き閉店しまう事態になりかねないからです。

この仕事は経験がものを言います。

私は1年半この修理店を経営してきて、それを嫌というほど思い知らされました。

そして、どの仕事にも当てはまることですが、継続は力なりです。

今は世の中の流れが非常に速いので、今成り立っている商売も明日には無くなっているかもしれません。

本当にそんな時代です。

ですので「今サクッと稼いでしまおう」そういう気持ちもよく分かります。

しかし、それでもやっぱり大切なことは少しでも長く続けていくことだと思います。

昨日今日始めたような人には説得力も何もあったもんじゃありませんし、業界のことを知らなければ継続的に稼ぐこともできません。

それにはやっぱり、最低1年は必要です。

1年あればだいぶ色々なことが見えてくるし、業界のこともよく分かってきて、その頃には自分の方針も決まっていると思います。

とにかくまずは死なないこと。

私はこれが私は1番大切だと思います。

そのために、私は個人で経営するのならば本当に小さいところから始めていけばいいと思うんです。

簡素でもいいから安価でホームページを作って、宣伝もほどほどにちょっとずつ出来る範囲を広げていくようなやり方が1番地に足が付いていると思います。

フランチャイズに加入して契約金を支払っても、最初からお客さんが沢山来るわけでもないですし、採算が取れるかどうかも分かりません。

慣れない中でお客さんが沢山来てしまったら、それはそれで悪評が広がりかねないですし(これは私の経験談です。)、経験を積んでちょっとずつ出来る範囲を広げていくのがいいと思います。

少しやって慣れた後に、フランチャイズに加入してホームページ内に掲載してもらうという方法だって出来るはずです。


うちの店は、昔、父の会社でタクシーのドライバーさんの待機所として使っていたところを改装した建物なのですが、今でもお客様から「なんか見た目すごいボロいね」とか「外から見るとすごい怪しいね」と言われています。

でも、私はこの店にこれ以上別にお金をかける気も無いですし、それで信用されずにイオンの中の修理店にでも行ってしまうなら、それでいいと思っています。

それで意地を張って外観をすごく綺麗に改装したところで、大幅な売り上げ増が見込めるわけでもないですし、私にとってはそんな事はハッキリ言ってどうでもいいわけです。

大切な事は技術力と修理パーツの質だと思っていて、私はそっちにお金をかけたいので外観など特に気にしておりません。

資金の限られている個人店など、それでいいと思うんですよね。

体裁ばかり整えて完璧を求めるのではなく「どうせお金ないし」と開き直って、中身を充実させることに最初は集中するべきだと思います。

開業当初はほとんどの方は大きな資本もないと思いますし、もちろん知識や技術力は無いに等しいです。

しかも、そもそも技術研修を受けたからって、最終的に開業するかどうかも分からないわけです。

そんな曖昧な状態でフランチャイズ契約だけ結んでしまったら、もう逃げられなくなってしまいます。

資金の少ない開業当初は、いつでもやめられるように身軽にしておいた方がいいと思います。

実際にやってみてこの仕事が好きではないことに気付いた時、契約だけ残っている状態だともう地獄です。

それに常に切羽詰まった状態でいてしまうと、修理に対してがめつくなってしまい、お客さんに不信感を抱かれてしまいます。

「もうやめたい」と思った時に、いつでもやめられるように、せめて1年くらいは自由でいた方がいいと、私は思います。

「これから始めよう」という方に「やめることを考えろ」と言ってもピンとこないと思いますが、少なくとも私は、自分が開業する前は「3年やって儲からなければやめよう」と思っていました。

それくらい身軽・気軽な気持ちで始めた方が案外うまくいくような気がします。


あと、もうひとつの理由は、私は自分の店の方針を他の人に押し付けたくありません。

うちの店は、修理の質に非常にこだわっていますが、うちのような店は現状は稀で、一般的な修理店は低品質なパーツで適当に修理しています。

そういう一般的な修理店の方向を希望している方に、うちのやり方を押し付けたくないんです。

生半可な気持ちでは私の運営方法と同じようには絶対に出来ないので、軽い気持ちで始めたい方に、私のこのやり方を勧めたくありません。

超大変だから。

私の運営方法は正しいけれど、私の方法よりも儲けている人は沢山いるので「どのような運営方針にしていくか?」というのを、自分で決めて欲しいという想いがあります。

これが私がフランチャイズ展開をしない理由です。


フランチャイズ展開は絶対にやらないと決めているのですが、多くの技術研修の受講生さんから「開業前後のしっかりとしたサポートが欲しい」というお声を多数頂きました。

最初から何もかもひとりでは出来ないですよね。

私も身をもって経験しましたので、よく分かります。

開業と運営のサポートは大きな責任が伴うので、どうするか非常に悩みました。

ただ、受講後「さようなら」と一切見捨てるという事も出来ないですし、全くの無料で全面的にサポートをする事も、私たち2人では、申し訳ないですがとてもではないけれど出来ないので、サポートする側・される側お互いに継続して続けていける金額で、その金額に見合った内容のサポートを、現在はさせて頂いております。

サポートに関しては、もちろんフランチャイズ契約ではないので、うちの看板を使っていただく事も出来ないですし、代わりに縛り付けるものでもありません。

袖振り合うも多生の縁、微力ながら少しでも成功のお力添えが出来れば嬉しく思います。

iPhone修理の個人の経営者の中には、フランチャイズを悪く言う人も多いですが、私はしっかりしたところに入ってしっかりやっていけば、悪くないと思っています。

実際、本部がしっかりしているところのフランチャイズに入っている方で、しょっちゅう修理研修に行って技術を学んだり、最新の情報を共有してもらうなど、本部の培ってきた技術や知識を有効活用されている方もいらっしゃいます。

フランチャイズ契約をお考えの方にアドバイスをするとしたら「加盟料があまり安すぎるところはやめましょう」というところでしょうか。

先に自分で開業してしまって慣れてきた頃に「ホームページに名前だけ載せて欲しい」というような場合でしたら、加盟料が安くて会社が大きいところは魅力的だと思います。

ただ、色々な話を聞く限り、加盟料が安いところは何もしてくれないみたいなので「最初から何もかも面倒を見て欲しい」という場合には、向かないと思います。

最後に「お前はフランチャイズに入るのは悪くないというくせに、どうして入らなかったんだ?」というと、使いたい名前が無かったからです。

魅力のある会社を見つけられなかったから。

この会社に金を払ってもいい、この会社の名前を使いたい、という魅力のある会社に、今現在までに、出会うことはありませんでした。

ただそれだけです。

ですので、フランチャイズに入りたい方は、そういう基準で決めてもいいかもしれませんね。

「自分の人生の一部をこの会社に託してもいい、大切なお金を払ってもいいと思えるか?」

そうすれば、最終的に失敗だったとしても、諦めもつくかもしれないな、と今思いました。

ずらずらと私の想いを書いてしまいましたが、技術研修受講をお考えの方の参考のなりますと幸いです^^

なんでも一長一短、今日の話をまとめるとそれだけです。笑

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