【iPhone7Plus】プールに水没→復旧できず
みなさん、こんにちは!
4連休の最終日、いかがお過ごしでしょうか?
私は先ほど贅沢にも鰻を食べてしまいました。
吉野家で鰻重と牛小鉢を買ってきて、自作「うな牛」。
活力をつけたので、午後も頑張ります!(めっちゃ眠いけど)
今日は先日承りましたiPhone7Plusの水没修理をご紹介しようと思います。
すでにタイトルでバレておりますが、今回は復旧できませんでした。
状況としては、
前日にプールに落とした。落とした直後は点いていたのですが、少し経って見たら、電源が入らなくなっていた。
とのことでした。
こちらが実際の写真です。
まだまだ内部に水分が残っていました。
私は今回は「復旧は厳しいと思う」というお話をしました。
鍵は「落とした直後は点いていたが、少し経って見たら、電源が入らなくなっていた。」という部分です。
私の経験上「水没直後は点いていたのに、少し経ったら起動しなくなった」というのは、直る確率が低いです。
運よく先にバッテリーが壊れてくれればラッキーなんですけどね。
ですので、水没後の正しい行動は「すぐに電源を切る」です。
お客様には修理前にこのことをお伝えし「今回は故障した状況から、復旧の確率が低いのでダメ元という形にはなりますが、それでも良ければ承ります。」というお話をしたところ、ご了承いただいたので、内部クリーニングに取り掛かりました。
パーツをひとつひとつ外していくと、内部にかなりの水が残っていました。
基板については、腐食が見られました。
この時点で「今回は無理だろうな」と感じていました。
基板の腐食が始まっていると、厳しいですね。
結局この時点での勘は当たりまして、今回は復旧させることが出来ませんでした。
りんごマークは点きましたが、それ以上進まず。
iTunesでも全く認識しないため、データも取れませんでした。
基板故障を専門にしている店舗さんでは復旧させられるのかもしれませんが、当社ではこれが限界ですので、今回はここまで。
お客様にもそのことをお伝えしまして、終了となりました。
ただ、今回は事前に「ダメ元で」とお伝えしておりましたので、お客様も納得してくださり「新しいのを買います」とおっしゃってお帰りになられました。
今回はお役に立てず、申し訳なかったです。
さて、どうして私が直せなかったところまで赤裸々にお話しているのかは、以前書いた通りです。
私は基本的に、どんなサービスも「お客様の期待や想像の上を行きたい」と思っております。
このiPhone修理や買取、中古販売って、人の想像や期待同等か、それ以下のサービスしか提供できていないところが大半だと、私自身は感じています。
それが現状の、
「非正規店なんかで修理をしたらiPhoneがおかしくなるから修理に出さない方がいい」
「買取店に売却に持っていたって、ホームページより価格は大きく下がるからガッカリする」
「中古なんて買ったってすぐ壊れるんだからショップで新品を買った方がいい」
こういう評判に繋がってるしまっていると思っています。
昔読んだネットのインタビュー記事の中で、ダイソー創業者の矢野博丈さんがこんなことをおっしゃっていました。
「100円で100円のものを提供してはダメなんだ。100円で100円以上だと感じられるものを提供できなければ、また買ってはもらえない。」
人はおのおの価格に対する基準みたいなものを持っています。
「100円ならこのくらいのクオリティ」
「1,000円ならこのくらいのクオリティ」
「10,000円ならこのくらいのクオリティ」
どんな商売でも、この期待や想像を超えなければ、お客様に気持ちよくお金を払っていただくことは出来ません。
人はコスパが良くないと、得をした気持ちにならないからです。
これは「ものを売る」という仕事だけに限らず、修理や買取という分野でも同じことが言えると、私は思っています。
例えば、修理であれば「その日に返ってくる」というスピード、「データが消えない」という利便性、そういうものも換金し、コスパに繋げられます。
買取であれば「即現金になる」「壊れていても現金にできる」という辺り。
勿論、金額そのものもそうですが、それに加えて付加価値をつけることで、コスパを上げることが出来ます。
ですので、私自身は、お客様には「どんなサービスも”コスパがいい”と思ってもらえるように」と考え、方針や価格を決めています。
そのため、私は、修理でも買取でも中古販売でも何でも、自社サービスのメリットを強く推さないように心掛けています。
メリットもデメリットもどちらもありのままをお伝えし、お客様自身が「コスパが良い」「得だ」と感じていただければ、利用していただくのがベストだと思うからです。
お客様自身でしっかりと考えて、最終的な自分自身の判断に納得した上で、ご利用いただきたいんですね。
本日の水没修理でいうと、従来の修理店というのは「復旧率80%」のような、明確な根拠の分からない数字を打ち出し、さも高い確率で直るように見せかけています。
ハッキリ申し上げると、当社でも100台水没修理をすれば、70〜80台くらいは復旧させられます。
80%と聞くとなんだかすごく高い数値のように感じられますが、正直、とても一般的な数値だと思います。
ただ、水没修理で復旧するかどうかは運の要素が大きいため、100台やっても20台は復旧させられません。
今回はその「20台」に入ったわけですね。
その方たちに対して、さも直るように見せかけ、内部クリーニング費用をいただくようなことは、私はしたくありません。
ですので、特に水没修理では、最初に期待を持たせるようなことは言わないですし、それどころか、予想より下回ることを言うようにしています。
もし直らなかった場合に、大きく落胆させないようにするためです。
今回の例でいけば、最初から「直らない可能性が高い」と言うことをお伝えしていたので、お客様自身「直ったらラッキー」だったため、直らない事実をお伝えしても、淡々とされていました。
勿論、内部クリーニング代3,990円はもったいなかったとは思われていたと思いますが、最初から直らないことを前提にしているので、作業費としてご納得されていたのではないかと思います。
これを「直るかどうか五分五分。やってみないと分からない」という言い方をすると、お客様側は直る方に期待を持ちます。
それで直らなかった場合、落胆が非常に大きくなりますし、3,990円がより”もったいなかった”と感じてしまいます。
ですので、私は、水没修理の場合は「直らなくても3,990円が悔しくないと思えるかどうか?」を判断基準にして、依頼してほしいと考えております。
勿論、悔しいは悔しいと思うのですが、直らなくても納得できるかどうかです。
どうしてこういう思考になったかというと、ぶっちゃけると、私も開店当初は結構アグレッシブに受けてしまっていたんです。
当時は売上が欲しかったので、修理前に「直らないだろうな」と思っても「内部クリーニングしてみないと直るか分からない」と伝えて、内部クリーングをするように仕向ける、というと言葉が悪いですが、なるべくしてもらえるように言葉を選んでいました。
そうすると、結果、直らなかったときに、すごく気まずくなります。
とてつもなくガッカリされたり、最悪なパターンだと、文句を言われることもありました。
私は嘘をついていたわけではありません。
「直る」なんてことは一言も言っておりません。
しかし「直るかどうか分からない」という言葉だと、お金を払う方は直る可能性に淡い期待を持ってしまいます。
そのため、直らなかった場合に、期待分落胆も大きくなります。
ですので、今はもう、始めになるべく期待を持たせないように気をつけています。
修理という分野は、直してもらわないとお金になりません。
買取は、売っていただかないとお金になりません。
中古販売は、買っていただかないとお金になりません。
そのため、最初に甘い言葉で釣って興味を持たせた後、利用してもらう方向に持って行きたいというのは、私も分かります。
私もそういう風に考えていた時期もありました。
しかし、私は、今はもう対お客様以外のことを考えるのは止めました。
「他の店と比べて、当社はこんなに優れているんです!だから、当社を利用してください!」というアプローチではなく「当社を利用してもらうと、あなたにとってはこんなメリットがあります。でも、こういうデメリットもあります。いかがでしょうか?」というアプローチ方法に変えたんです。
そういう「他と比べて〜」って”もう古いな”と思うんです。
うまいこと書いて消費者を釣ってお金を使わせる手法は平成までの話で、令和は共感を得たところにお金が集まると、私は考えています。
今の消費者は非常に賢く、本当にビックリするくらい良く調べています。
だから、私は無理に利用させるのではなく、自分で調べ、考え、吟味した結果「利用したい」と思ってもらえる魅力のあるサービスを育てたいんです。
正直、目の前の人にうまいこと言って半ば強引に利用させることもできますし、そういう手法は一時的には儲かると思います。
でも、もう今はそんな時代ではないと思います。
ただ、私の理想のサービスを実現するためには、実力をつけ、本質を磨き続けなければいけません。
時間も手間もかかるため、苦しいし大変なことではあります。
しかし、その積み重ねが「信用」に繋がっていくと、私は信じています。
ということで、なんだか話が逸れまくった上、長くなってしまいましたが、今日はこの辺にしておきます。
みなさま、残り少ないお休みを楽しんでください^^
お客様、ご利用誠にありがとうございました。