英語のメニューと外国の方向け修理を考える
とても忙しい月末と月初の時期ですが、東京番になったので時間が取れています。
取手店と後楽園店を2店舗運営している私ですが、私が月・火・水・木を東京後楽園店、金・土・日を取手店、逆に師匠が月・水・木を取手店、金・土・日を後楽園店と現在は分担して交互に店番をしています。
取手にいると何かとやることが多いのですが、東京だとiPhoneターミナルのこと以外は出来ず集中できるので、通勤に往復3時間かかりますが、なんだかんだ東京番の方がまったり過ごしているような気がします。
取手にいると、本当にバタバタと忙しいんですよね。
さて、そんな私は先ほどまで英語の画面修理のメニュー表を作成していました。
場所柄なのか?
東京はもうどこでもそうなのか?
この東京・文京区春日の地は外国人の方が結構多くてですね。
私は英語が話せるので問題ないのですが、師匠番の時に外国人の方がご来店されると師匠・お客様ともに大変なので、説明しなくても見ただけで分かるメニュー表を作成することにしました。
ただ、ここで1つ問題がありまして。
ご存知の通り、うちは画面修理においてはコピーパネルと液晶が純正のパネル、お好きな方をお客様に選んでいただく方法を採っているのですが、この違いがなかなか伝わらなくてですね。
英語でメニューを作成しても、なんかピンと来ないんですよね。
伝わっているのかもしれませんが、これ、説明しても日本人と違って、9割近くはコピーパネルをお選びになるんですね。
品質面をしっかりと理解した上でコピーパネルを選んでいただいているのであればいいのですが、そうではない場合も多々あります。
この問題をどうしようかしばらく考えていました。
こういう時は、コピーパネルしか使っていないところが羨ましく思います。
この「画面の説明をする」という作業を省ければどんなに楽だろうと思うことは多々ありますが、これを省いてしまうとうちの存在意義が無くなるので「海外のお客様には面倒だからやらない」ではなく「どうやったら続けていけるか、理解してもらえるか?」ということを考えてやっていこうと思っています。
商売としては需要が無ければ準備しても意味はないので、外国人のお客様には液晶が純正のメニューを省いてコピーだけでやってもいいんですけどね。
ただ、それだと、もしコピーパネルの違和感に気付いた人がいた時に、コミュニティの中で「あそこで修理したら画面が変になった」とか「すぐ壊れた」という口コミを広げられる可能性もあるわけで、それが1番嫌なんですよね。
私にはこんな経験があります。
まだ取手店1店舗をひとりで運営していた頃に南アジアの男性のお客様が割と集中的にご来店される時期がありました。
茨城県の結城市や筑西市には日本車を母国へ輸入して商売している方々のコミュニティがあるらしく、あるひとりの方がいらっしゃったのをきっかけに数珠繋ぎ式で何人もの方がご利用くださいました。
皆さん、高級車に乗って遠路はるばる1時間以上かけてご来店くださるのですが、ご修理時に選ぶ画面は決まってコピーパネルでした。
全員日本語もペラペラで、おそらく私の言っている意味は完全に理解していたと思います。
身なりも綺麗でとてもお金に困っているようにも見えず、むしろ裕福な方々だとお見受けしました。
コピーパネルと液晶が純正のパネルの説明は日本人のお客様にする説明と全く同じだったのですが、それでも本当に例外なくコピーパネルしか選ばれませんでした。
しかしやっぱり使い方が荒いんでしょうね。
そうやって修理した方の多くの人が、修理後かなり早い段階で「もう壊れたんだけど」と電話をしてきました。
中には割と怒っている口調の方もいました。
私は勿論、ご修理前にしっかりと説明しているので「だから、コピーは壊れやすいって説明しましたよね?」というご返答になりましたが、結局そこのコミュニティの方々は来なくなりました。
この時、私は「であれば仕方ない」と思っていました。
別に日本人の方だって説明を聞いて最終的に修理されない方もいますし、私は基本的に「信用できなければ修理しないでください」というスタンスを取っているので、このコミュニティの方々に関しては「合わない人もいる」くらいにしか思っていませんでした。
ただ、その後の経験から、日本人のお客様は8割くらいは液晶が純正のパネルを選ばれるのに対し、外国人の方は逆に9割はコピーパネルを選ばれるという私的統計が出まして。
画面修理に関しては外国の方には日本人の方と同じような運営方法をとっていてはダメだな、と感じました。
差別とかいうことではなく、日本人の感覚と日本人以外の感覚は違うということを前提としてメニューを作成しないと、外国のお客様に満足していただくことはできないな、と。
取手店は外国のお客様は少数なのでとりあえずそのままで、東京・文京区の後楽園店は取手店とは少し変えてみることにしました。
個人店はそういう柔軟性ってとても大事だと思っていて。
個人店が大手に太刀打ちするためには、大手が面倒だと思っていることを積極的にやっていくことが唯一無二の勝つ方法だと思っています。
私は世間的に需要はあるけれど“大手が面倒でやりたがらないことを個人店は積極的に引き受けていくこと”しか個人店が生き残っていく術は無いと考えています。
画面の説明をするなんていうのは正に最たる例で、師匠もそれが分かっているから「面倒だから説明したくない」なんてことは一度も言ったことはありません。
外国のお客様向けということを考えると、もうひとつ思うところがあります。
まだ取手店をオープンしてから3ヶ月くらいの頃、師匠もまだ以前のお店で働いていた頃。
2人で飲みに行く機会があったのですが、その時に私は「いつか東京にお店を出して新宿や六本木に英語オンリーの外国人向けのお店にしたい!そういうお店で東京で勝負したい!」と酔って言ったことがあります(笑)
師匠は覚えてないでしょうけどね(笑)
その頃の私には、東京都心に店を出すなんてことは夢のまた夢、遠すぎて夢ですらなく完全に冗談でした。
師匠も「東京は初期費用も高いし家賃も高いしめちゃくちゃハードル高いよ」というようなことを言っていましたし、私もそう思っていました。
そしてその1年5ヶ月後に、まさか東京に出店してしまいました。
しかも、夢だった「外国人向け」まではいかなくとも、外国の方に向けて修理を提供できる環境に出すことができました。
英語のメニューを作成している時に、なんか感慨深い気持ちになってしまいました。
なんかずーっと、小さいですが、開業してから、ひとつひとつ目標が叶っています。
これって私の力ってよりは、不思議な縁がそうさせているような気がします。
こんな風に色んな縁や運の中で、人生って進んでいくんですかね。
もう私は3ヶ月後すらどうなっているか、自分が分からないです。笑
ひとつ私の力の部分があるとすれば、私は開業してから一貫して「ブレない」ということは変わらっず貫いている部分なので、そのブレない姿勢が縁や運を引き寄せているのかな、なんて手前味噌ながら、感じています。
でも、本当にそれだけです。
取手店が順調なのも、後楽園店を出せたのも、本当に私の実力では無いような気がします。笑
今後大きな夢がもっともっと叶っていっても、自分の強運と支えてくれる周りの環境への感謝だけは忘れてはいけないですね。
それだけは肝に命じなければ、と思っています。